2016年11月17日木曜日

成長のキッカケ


「成長のキッカケ」


1 山口康平

明治大学体育会サッカー部は成長するキッカケの宝庫だ。
寮の環境、サッカーのレベル、積み上げ、継承されてきた歴史と伝統。
それら全てが僕に人間として、サッカー選手として、一流の個になる為にいつ如何なる時もいいキッカケを与え続けている。

初めて寮を見たときの衝撃は一生忘れる事は出来ない。
二段ベッドが8個ギリギリ置けるスペースに16人が身を寄せ合い、個人に与えられたスペースは二段ベッドの一室のみ。
至る所がガムテープや、ダンボールで補強されている。
外から見ると、まさに軍隊並みの生活かもしれない。
だが、いざその環境の中で生活すると僕が抱いたイメージは大きく変わった。
狭いスペースでお互いに思い合って生活し、レイアウトを変えたり、綺麗に出来るところは徹底的に綺麗にしたりと、与えれた環境に嘆くのではなく、ある環境の中で自分達で創意工夫し、主体的に自分達の生活を向上させる精神に溢れていたからだ。

明治大学サッカー部は個人の主体性の強さがとてつもなく高い。
オフの日にも関わらず、筋トレや自主トレに励む者もいるし、毎週木曜日は選手全員でミーティングを開き、試合の振り返りや、現在のサッカー部の改善すべき点、評価できる点などについて本音で徹底的に討論する。
これらは監督やスタッフに強制されているのではない。
学生自らが主体となって明治が勝つ為に行なっている。
それがピッチ上にも影響しているのは言うまでもない。
私生活では思いやりの精神に溢れているが、ピッチ上では厳しい意見が飛び交い、一切の甘えを許さない。
その厳しさは自分が成長したい、チームを強くしたいという思いがあるが故である。

そして何よりいいキッカケを与えてくれるのは先輩達の背中である。
特に明治の歴史と伝統を継承しようとしている四年生の偉大さは計り知れない。
その偉大さは今の僕とはギャップが大きすぎて、今の四年生を超える四年生になれるのだろうかと不安になる程である。
今はその偉大な先輩達に食らいついて、追い越す事が僕が成長する為に一番大切な事だと思っている。

現在、僕はサッカー人生で初となる長期リハビリをしている。
サッカーが出来ずにもどかしい気持ちはあるが、自分と向きあう時間が増えて、大きく成長できるキッカケになっていると確信している。
どんなことも成長のキッカケ。
それを軸にして僕は明治大学での日々を過ごしていく。

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